ブックタイトル再生可能エネルギー事業成果集

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概要

再生可能エネルギー事業成果集

海外連携型再生可能エネルギー関連研究開発支援事業木質ペレットガス化熱電併給装置(E4ユニット)燃料研究開発藤田建設工業株式会社平成29年度事業概要今年度導入するドイツ・ENTRADE社の小型熱電併給(CHP)システム(E4ユニット)(電気50kW熱120kW)の燃料となる木質ペレット製造における原料樹種の最適な配合を研究開発する。併せて、E 4ユニットの屋外サイロ(14t)に木質ペレットを搬入するため、ペレットトラック(バルク車)を同社から並行輸入し、ペレット工場から木質ペレットを搬送する最適なロジスティックシステムを研究開発する。現状・背景平成28年度に導入したE3ユニットはスパ・ホテルあぶくまに電気(25kW)と熱(60kW)を供給している。燃料の木質ペレットは関連会社である(株)シーズが製造、木質ペレットの機械的耐久性や水分率などはドイツ規格に相当する基準を満たし、E3ユニットは順調に稼動している。しかし、メンテナンスは日本とドイツの湿度や樹種の違いから想定以上の時間を要している現状にある。研究(実用化)開発のポイント・先進性日本の森林の未利用材や製材所の残材は一般的に杉が多く、ドイツやEU諸国で広く使用されているトウヒ、松などは量的に限られている。そのため、木質ペレットの機械的耐久性や水分率が同じでも、原料樹種の違いにより、メンテナンス手法が複雑になっている。これらの課題を解消し分散型電源としてのCHPを日本で実用化するためには、稼働時間の安定とメンテナンスの簡素化のため、その燃料である木質ペレットのバイオマス比率の最適化とコストダウンが開発のポイントになる。熱120kW研究(実用化)開発の目標ENTRADE社の小型CHPのE 4ユニット(電気50kW熱120kW)の実用化には木質ペレットの原料に未利用材を活用した樹種配分の最適化を目指す。また、将来的には償却期間を短縮するため電気を全量売電(FIT売電)するための系統連携保護装置(PCS)を開発し経済性評価の向上を目指す。木質ペレット製造・供給(株)シーズペレット工場年間1,000トン製造能力地元未利用材の活用CHPメンテナンス風景E4ユニット運転藤田建設工業(株)木質ペレット使用量年間約360トン電気50kW電気出力〈FIT売電49.9kW〉熱出力〈あぶくま温浴施設で利用〉県内への経済波及効果(見込み)県内では帰還支援や雇用対策、エコビレッジなど地域資源を活用した再生可能エネルギーを導入し地域活性化を推進する策定計画が見られる。このような過疎中山間地域に小型CHPを導入することで、地元の森林資源を活かした地域資源循環型社会による雇用対策や経済波及効果が見込める。開発者からのコメント藤田建設工業㈱顧問立原龍一木質ペレットはその水分率や機械的破壊率が安定していても、木材原料の樹種によってはガス化した際にCHPのメンテナンスにばらつきがでます。小型CHPのメンテナンス技術を磨きながら工場残材や未利用材の活用による木質ペレットのコストダウンを探ります。33