ブックタイトルふくしまベンチャーアワード2016

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概要

ふくしまベンチャーアワード2016

大野村農園代表きくちようこ菊地陽子さん住所T E LE-mailU R L創業事業内容〒976-0007相馬市大坪字前迫115090-7574-3114oonomura.nouen@gmail.comhttp://oonomuranouen.wixsite.com/soma平成27年7月27日自然卵養鶏、伝統野菜「相馬土垂(サトイモ)」の保存と普及自然に近い環境で育てられたニワトリの卵が大人気大学時代に分子生物学を学んだ菊地さんは、香川の農業法人で働いて経験を積んだのち、全国の農家で働いていた経験を持つ夫の将兵(しょうへい)さんとともに、平成24年に相馬市で農園を始めました。10アールだった農園は、今では350アールにまで拡大し、全国からの農業ボランティアや研修生を年間30名ほど受け入れながら、野菜の栽培や養鶏を行っています。商品の販売事業も行っており、自然に近い環境で育てられたニワトリの卵、「相馬ミルキーエッグ」がインター園で採れた旬の野菜や相馬市で採れた米や魚のあらなど。遺伝子組換えの穀物や、抗生物質、色素などを一切与えずに生産された卵は、東京都の飲食店で扱われている他、県内外に定期購入者も多いと言います。また、この商品は、プロのデザイナーが手掛けた2種類のパッケージから好みのデザインを選択できる他、メッセージカードのサービスもあり、贈呈品としての価値を高めるブランディングも行っています。幻のサトイモの栽培に成功、食育にも力を入れる平成28年に力を入れて生産した農作物は、相馬土垂(そうまどたれ)。40年ほど前まで相馬の農家で盛んに育てられていたサトイモです。近年は生産者が減り、20年ほど前に相馬市が相馬土垂について調査した際には、種芋が1つも見つかりませんでした。伝統野菜に興味があった菊地さんは、行政や直売所などに問い合わせ、4年間かけて種芋を探しました。平成27年の冬、ついにある農家から種芋を手に入れると、翌年の春に植え付け。栽培に成功し、秋には収穫しました。「相馬の旅館から『是非使いたい』という反応もあり、新たな相馬の名産となる日も近いと感じています」大野村農園では食育活動にも力を入れており、「ふくしま食育実践サポーター」にも認定されています。今までに「親子サトイモ堀り」「ニワトリの卵採り」「大人向けの鶏さばき体験」などの食育プログラムを実践。「相馬ミルキーエッグ」と相馬土垂、そして「地域循環の食育」が評価され、平成28年には「ふくしま産業賞」で金賞に輝きました。今後は、行政とも協力してさらに多くの地域の子どもたちに農園を訪れてもらいと菊地さんは願っています。「『食材のはじまり』の体験を通して『食』や『農業』に興味を持ってくれる子はいるはず。今後、相馬の農業の将来を担う子どもを増やすためにも、学校や幼稚園などとの連携を取りながらプログラムへの参加者を増やしていきたいと考えています」Fukushima Venture Award 201637