ブックタイトルふくしまベンチャーアワード2016

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概要

ふくしまベンチャーアワード2016

株式会社IIE代表取締役社長やづたくろう谷津拓郎さん住所T E LF A XE-mailU R L創業事業内容〒969-6511河沼郡会津坂下町大字青木字宮田2050242-23-77600242-23-7760info@iie-aizu.jphttp://iie-aizu.jp平成25年3月11日服飾、雑貨の企画・製作・販売事業「3.11」がきっかけで生まれた会津木綿事業色鮮やかで優しい表情のストールが並ぶIIEの店舗。株式会社IIEでは、会津木綿を使用したストールを中心に、服飾、雑貨の企画から製作、販売までを行っています。代表取締役社長の谷津さんがIIEを立ち上げるきっかけとなったのは、東日本大震災でした。震災後のボランティア活動や、まちづくりNPOでコミュニティカフェの運営を行う中で、谷津さんは気になる声を耳にします。それは、震災で会津の仮設住宅に避難してきた女性の「毎日やることがなくて辛い」という言葉や、コミュニティカフェで出会った女性の「地元にはかわいいものがない」というつぶやきです。そのような悩みを聞いた谷津さんは、「400年の伝統がある会津木綿は加工がしやすく、魅力的な商品が作れるはず。その製作を避難された方に依頼すれば、避難してきた方の役に立てるのではないか」と考え起業を決意します。「『311』を逆さまにすると、『IIE』になります。東日本大震災による悲しみ、苦しみをひっくり返し、新たな生きがいや喜びを見出していく、そんな思いで名付けました」会津木綿×避難者の仕事づくり「会社のポリシーは、作る人と使う人とが一緒に幸せになること」と語る谷津さん。起業当初は、「ミシンでの作業は難しい」と仕事を辞退する方もいました。そのため、「練習すれば誰でも作ることができ、製品としても質がよく、長く使ってもらえるもの」を考えた結果、看板商品の会津木綿のストールが生まれました。あえて製作工程を簡単にすることで、高齢の方や子育て中の方など、今まで仕事が難しかった方でも取り組めるようになったと言います。作り手からの「私達を迎えてくれた会津への感謝の気持ちで作っているのよ」との声に、谷津さんも幸せを感じています。起業して2年後の平成27年には、会社の取り組みが認められ、IIEの事業内容がふくしま復興塾のコンテストで、グランプリに輝きました。今後の谷津さんの目標は「商品を通して、昔ながらの良さを今の暮らしに合うような形で提案すること」です。「現在は、『会津青木木綿』の再興に取り組んでいます。約100年前の織り機の修理を重ね、30年前まで生産されていた青木木綿を再現することができました。その布を使用してご祝儀袋などを作成し、イベントや百貨店、セレクトショップに出品しています」。これからもIIEの生み出す商品は様々な形を取り、会津の伝統工芸の良さを全国へ発信し続けます。Fukushima Venture Award 201623