ブックタイトルふくしまベンチャーアワード2016

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概要

ふくしまベンチャーアワード2016

特別賞福島にUターンし、「えごま油」の事業化に奔走株式会社G N S株式会社GNSでは、「農と食を通じて生産者の再生産を支援する」という企業理念の基、国産のえごまや穀物の生産管理、加工、農産加工品の小分けなどを行っています。商品の企画やデザインも自社で行うだけでなく、自社グループに飲食・物販事業を行う会社も抱えていることで、生産・加工・流通・飲食・小売・企画・デザインを自社グループ内で一貫して行える体制が強みです。常務取締役の廣田さんは、大学を卒業後、東証一部上場のシステムメーカーに勤務。計数管理やハードのメンテナンス、営業などを経験しました。出身地でもある二本松市東和地区に耕作放棄地が多数存在している現状をどうにかしたいという思いから、廣田さんは、お兄さんが一足先に始めていた「えごま」の栽培を広める事業に合流。えごまが選ばれた理由は、体によい上に、福島の土地で昔盛んに栽培されていたからでした。始めは生産者を確保するために苦労したと言います。当時は日本ではえごまを育てている農家は珍しかったため、栽培ノウハウも知られておらず、収穫がなかなか安定しなかったのです。「春には作付けの説明会を行い、夏に栽培指導会、秋に収穫説明会を行うというフローを通して、自分でも農作業に参加して農家さんと密にコミュニケーションを取りました」。3年目に思ったように収穫できなかったときには、農家から諦めの声も上がりましたが、「もう1回やりましょう」とお願いをして、種を蒔き続けました。アジアの中でもえごまを多く産していて、栽培指導も盛んに行われている韓国などにも出向き、生産のコツをマニュアル化。4年目には収穫が安定してきました。「最初は3人の農家さんからスタートしたえごまの栽培でしたが、口コミで賛同者が増え、震災前までの6年間で登録は220人に増えました」Fukushima Venture Award 2016常務取締役廣田拓也さんひろたたくや「コトづくり」を商品化し、手作りサングリアキットの開発も株式会社GNSが生産管理を取っていることで、まるで「生産者の顔が見える」かのような安心感のあるえごま油は、国産で品質のいい品物を求める消費者の心を掴み、少しずつ顧客を獲得していきました。ところが、福島第一原発の風評被害でそのビジネスモデルが崩れてしまいます。廣田さんは、打開策を探8